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超高速光ファイバ通信に関する実験的研究

-- ピコ秒光ソリトンの発生と伝送--


NRZパルス伝送の理論解析


光ファイバ通信の伝送路符号として一般的に用いられるNRZパルスは、 光ソリトンのような定常パルスではないために、その解析的な取り扱いが 非常に困難であった。本研究室では、光パルスの振舞いを記述する基本 方程式である非線形シュレディンガー方程式にWKB法を適用して、 準線形流体方程式を導出し、これを特性曲線法によって解いて、 NRZパルスの振舞いを解析的に記述することに成功した。 現在は、この結果をもとに、NRZパルスの伝送制御法などの研究に 取り組んでいる。また、NRZパルスを適当な関数形で近似することにより、 変分法の枠組で伝搬に伴うパルス波形の変化を説明できることを示した。


メンバー

学内講師 丸田 章博 Akihiro Maruta, Dr.

学外共同研究者

オハイオ州立大学教授 児玉 裕治 Yuji Kodama, Prof.

卒業生

平成13年3月通信専攻修士了 吉岡 博之(日立)[卒論のみ]
平成12年3月修士卒 小原 一歩 (KDD)
平成11年3月通信専攻修士了 湊 直樹 (沖電気)
平成10年3月通信学部卒 米田 敬(トヨタ)
平成9年3月通信専攻修士了 山本 心(ソニー)
平成8年3月通信専攻修士了 田中 啓仁(KDD)

主な研究成果

準線形流体方程式によるNRZパルスの解析
[1] Y. Kodama and S. Wabnitz : 'Analytical theory of uiding center NRZ and RZ signal transmission in normally dispersive nonlinear optical fibers", Opt. Lett., Vol.20, No.22, pp.2291-2293 (Nov. 1995).

初期位相変調によるNRZパルスの制御
[1] Y. Kodama and S. Wabnitz : 'Compensation of NRZ signal distortion by initial frequency shifting", Electron. Lett., Vol.31, No.20, pp.1761-1762 (Sept. 1996).

非線形利得によるNRZパルスの制御
[1] Y. Kodama, S. Wabnitz, and K. Tanaka : 'Control of nonreturn-to-zero signal distortion by nonlinear gain", Opt. Lett., Vol.21, No.10, pp.719-721 (May 1996).

波長分割多重方式における最小波長間隔
[1] Y. Kodama, A. Maruta, and S. Wabnitz : 'Minimum channel spacing in wavelength-division-multiplexed nonreturn-to-zero optical fiber transmission", Opt. Lett., Vol.21, No.22, pp.1815-1817 (Nov. 1996).
変分法によるNRZパルス伝搬の解析
[1] A. Maruta : 'Variational analysis of non-return-to-zero pulse propagation in a optical transmission line", Topical Meeting on Nonlinear Guided Waves and Their Applications 1999 (NLGW'99), Dijon, France, Paper ThD3 (Sept. 1999).


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